羨ましい


 後方支援している現場を陣中見舞いして来た。調査前は試掘結果から縄文と古代の二時期、比較的単純な遺跡のはずだったが、発掘を始めてみると、縄文中期が少なくもと二時期、弥生時代後期、古墳時代前期とたぶん後期、古代に複数の時期と、一大複合遺跡であることが判明。とくに厄介なのが縄文中期の所謂フラスコ形土壙がたくさん出て来たこと。径6〜70センチの単純なピットと見えて、実は深さ2メートル、直径3メートルという大土壙が隠れていた。そういう訳で、フラスコ形と分かったら一旦掘るのを止めて、周囲にある後の時代の遺構を先に調査し終えてから、改めて掘らねばならない。上にある遺構も複雑に切り合っているから、どういう順序で掘っていくか、まるで立体パズルである。おまけに深さが半端じゃないから、掘削作業は極めて危険でもある。現場でその困難に立ち向かうなかで、調査に当たる彼女や彼らが、日を追って調査員としての力を向上させて行くのが、傍目からみていても良くわかる。周囲は、古き良き日の、日本の里村が、美しく残る土地。色々な意味で、現場に毎日立てる諸君が羨ましい。もちろん、肉体的にも精神的にも過酷な日々であることを承知の上で。

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